「クラウドファースト」の米国政府調達方針が2010年に発表されてから約5年が経過し、日本企業のシステム調達の現場でもようやくオンプレミスからクラウドへのシフトが進んできている状況です。当社でも、SaaS型クラウドアプリケーションを短期低コストで導入するサービスを提供しています。今回は、約10年間大手システムインテグレーターでオンプレミスの基幹系システム(ERPパッケージ)の導入、開発、保守運用を行ってきた経験から、クラウドファースト時代のシステムインレグレーションの方向性について考えていきたいと思います。各ベンダーとも、まさに手探りで方向性を探っているところだと思いますが、ここではあくまで当社の考え方を整理しておきたい思います。
「クラウド」の整理
「クラウド」という言葉は、使われ方によって意味合いが違っており、認識があっていない場合も多いと思います。いまさらではありますが、まずは「クラウド」の概念について整理していきます。
クラウドコンピューティングの定義について米国国立標準技術研究所(NIST)では、次のように定義しています。
「クラウドコンピューティングは、共用の構成可能なコンピューティングリソース(ネットワーク、サーバー、ストレージ、アプリケーション、サービス)の集積に、どこからでも、簡便に、必要に応じて、ネットワーク経由でアクセスすることを可能とするモデルであり、最小限の利用手続きまたはサービスプロバイダとのやりとりで速やかに割当てられ提供されるものである。このクラウドモデルは5つの基本的な特徴と3つのサービスモデル、および4つの実装モデルによって構成される。」
それぞれ整理していきましょう。
5つの基本的な特徴
3つのサービスモデル
4つの実装モデル
まとめ
いかがでしたでしょうか?「クラウド」の話をしている際は、基本的な特徴の話をしているのか、サービスモデルの話をしているのか、実装モデルの話をしているのかを意識した上で話をすると整理しやすいと思います。「クラウド」は、誰でもいつでもネットワーク経由で、必要なサービスを必要なときに必要な分だけ受けられるというのがこれまでのオンプレミス型のシステムとの大きな違いになります。次回は、クラウドファースト時代のシステムインテグレーションについて、考えていきます。
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