厳しい競争に勝ち抜くため、ビジネスを進める上では適切な情報共有が欠かせません。これを実現するさまざまなツールは実用化されていますが、有償のサービスも多く、選択が難しく感じる事があるのではないでしょうか。また、時間と労力をかけて導入しても、使いこなせるか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
Microsoft Teams(以下、Teamsと略)には、情報共有に役立つ機能としてWiki(ウィキ)が搭載されています。ここではTeamsのWikiでできること、また活用するメリットについて解説していきます。
Wikiを使えば、誰でも情報共有を行える
Wikiは誰でも情報共有に参加でき、さまざまな用途に活用できる仕組みを指します。そのため、よく名前を見聞きする「Wikipedia」とは異なります。
ここではまずWikiとは何か、またWikiを活用できる用途について解説していきます。
そもそもWikiとは?
Wikiには、以下の特徴があります。
- HTMLの専門的な知識がなくても、簡単にドキュメントを作成できる
- 作成したドキュメントは、チームメンバーなど多くの方が閲覧できる
- Wordなどのように、ファイルを開く手間が不要
- 簡単に修正や編集が行えるため、ビジネス環境の変化に対応しやすい
- 他のページや項目へのリンクが容易
- ドキュメントの編集は、複数の方が共同で行える
Wikiの名称は、ハワイ語の「wikiwiki」(速い)が由来となっています。これはWikiが持つ、ドキュメントの作成や更新が速い機能と関係しています。WikiはITに詳しくない方でも、ビジネスに必要なドキュメントを手軽に作成できることが特徴です。
Wikiはさまざまな用途に活用できる
Wikiは以下の通り、さまざまなドキュメントの作成に活用できます。
- ビジネスルール
- 手順書やマニュアル
- 議事録
- 用語集
上記はどれもビジネスを行う中で、欠かせないドキュメントです。これらを手軽に作成し情報共有できることは、Wikiの魅力にあげられます。
WikiはWikipediaに限らない。さまざまなサービスがある
皆様のなかには、「WikiとWikipediaはどう違うのか」と疑問に思った方も、いるのではないでしょうか。すでに解説した通り、Wikiはドキュメントを手軽に作成できる仕組みを指します。一方でWikipediaはWikiの仕組みを使ったインターネット上の百科事典ですから、Wikiの活用例の1つに過ぎません。
Wikiを使ったサービスは、他にも多数あります。Teamsは、その1つに含まれます。
Teamsは標準でWikiに対応し、情報共有に活用できる
Microsoft Teamsでは標準でWikiに対応しています。そのため、ビジネスで使われる情報の共有に役立てます。ここではTeamsが持つWikiの機能について、確認していきましょう。
チームメンバーは自由にドキュメントを作成できる。複数人での作成も可能
主な機能として、参加するチームのメンバーであれば誰でもドキュメントの作成や更新を行えることがあげられます。個々のチームメンバーが持つノウハウを、簡単にWikiに集められることはメリットといえるでしょう。内容が実態にそぐわなくなっても、気がついた人が更新できる点も強みといえます。
ドキュメントは、複数のメンバーで共同して作成することもできます。これにより得意分野を生かした共同作業も可能となり、スピーディーかつ正確な情報共有に活かせます。
Wikiを見て欲しい方にドキュメントを知らせるには?
ドキュメントは、部署内の方に限り公開というケースも多いでしょう。この場合、作成したドキュメントを他の方に見てもらうためには、相手を自分のチームに加える必要があります。チームに参加していない方に対してもドキュメントのリンクを送ることはできますが、内容を見ることはできません。
またドキュメントの作成や更新後は、チャットなどを使ってメンバーに知らせることが有効です。
Wikiには会話機能もある
TeamsのWikiでは、ドキュメントに関する会話も行えます。
- 対象のドキュメントを選ぶ
- セクションを選び、右側の吹き出しマークを選ぶ(ポップアップで「セクションの会話を表示」が表示される)
- メッセージを入力し、送信する
このように、いたって簡単に会話を行えます。ディスカッションを活発に行い、コンテンツをブラッシュアップすることは、より良いドキュメントづくりに役立ちます。
ソフトのインストールは可能だが、必須ではない
Teamsにはブラウザで使うWebアプリのほかに、デスクトップアプリもあります。もちろんTeams自体はクラウドを活用したサービスですから、デスクトップアプリのインストールは必須ではありません。
デスクトップアプリの場合は、ブラウザを起動してTeamsにアクセスする手間を省けることが特徴です。一方でWebアプリの場合は、インストールせずに使えます。この点は、使い勝手や組織の事情にあわせて検討するとよいでしょう。
TeamsのWikiを情報共有に活用するメリット
他の情報共有ツールを使う場合と比べて、TeamsのWikiには4つのメリットがあります。ここからはそれぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
Officeに似た感覚で利用でき便利
TeamsのWikiは、Officeに似た感覚で利用できます。はじめてドキュメントを作成する場合、あらかじめタイトル欄に「無題のページ」、最初のセクションに「無題のセクション」欄が用意されていますから、適宜書き換えましょう。
セクションの下には文章を記載する欄があり、簡単に入力できます。ここにカーソルを置くと、画面の上部に文字や書式、画像や表の挿入といったツールバーが現れます。ドキュメントを思い通りのフォーマットに仕上げられることは大きなメリットです。
セクションを追加したい場合は、入力した部分のすぐ下にある「+」ボタンを押して追加しましょう。ドキュメントを追加したい場合は左上の「三」ボタンを押し、下の方にある「新しいページ」を押すことで追加できます。またドキュメントをドラッグ&ドロップすることで、並べ替えも可能です。
手軽に使えることは、TeamsのWikiの特徴です。現場の抵抗も少なくなり、スムーズに導入されやすいといえるでしょう。
Officeが使えるライセンスがあれば、別途費用負担なくすぐに活用できる
情報共有ツールにはさまざまなサービスがありますが、その多くは利用者数に応じて課金されます。なかには1ユーザー当たり1,000円を超える場合もあり、100人規模の企業でも月額10万円以上の利用料金を支払う事となります。
一方でTeamsは、以下に示す「法人向けのOfficeが使えるライセンス」をお持ちであれば、すぐに使えるメリットがあります。もちろん、新たな費用負担も必要ありません。
- Microsoft 365 Business Basic
- Microsoft 365 Business Standard
- Office 365 E3
企業で新たな有償サービスを契約する場合は、稟議など所定の手続きが必要な場合も多いもの。このような手続きが不要で、思い立ったらすぐに便利な機能を活用できることは、Teamsならではのメリットといえます。
無料版での試用も可能
多くの情報共有サービスでは初めて使う方のために、無料で使えるサービスを用意しています。一方でこれらには期限や利用制限があるケースも多いため、納得いくまで試用できないケースもあるかもしれません。
Teamsには、無料版が用意されています。一部の機能は制限されていますが、期間の制限はありません。このためWikiでドキュメントを作り使い勝手と見え方を確認するといった、基本的な使い方を試したい方に適しています。
もちろん法人向けのOfficeライセンスがあれば、わざわざ無料版を使う必要はありません。一方で最近ではOffice以外のオフィスソフトを活用する企業もあります。このような企業にとって、事前に無料版で機能を試せることは安心につながります。
Microsoft製品をはじめ、さまざまな製品との連携もスムーズ
TeamsはMicrosoft製品をはじめ、さまざまな製品との連携がスムーズに行えることも特徴の1つです。さまざまなウィンドウを開くことは煩わしさを生みますが、TeamsのWikiは、ワンストップで操作できるメリットがあります。加えてファイル添付が可能なことも、見逃せないメリットです。
製品との連携については、「Teamsは単なるコミュニケーションツールではない!Plannerの活用により生産性が向上する」記事もご参照ください。
有料のツールを検討する前に、TeamsのWikiを使えないか検討を
いかがでしたでしょうか? TeamsのWikiには、情報共有に役立つさまざまな機能が備わっています。もしこの機能で十分であれば、追加コストなしで組織の情報共有を実現できます。有料の情報共有ツールには優秀な機能が搭載されているものも多いですが、まずは費用対効果という観点でも、TeamsのWikiを使えないか検討することがおすすめです。
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