今回は、Microsoft Dynamics 365 が提供するアプリケーションと代表的な機能についてご紹介します。現在提供しているアプリケーションは、CRMソリューションとして営業支援、顧客サービス、フィールドサービス、プロジェクトサービスの自動化、ERPソリューションとしてオペレーションズが提供されていますが、今回はCRMソリューションの機能についてご紹介していきます。
Sales 営業支援
いわゆるSFA(Sales Force Automation)といわれるアプリケーションでCRMの代表的な機能です。営業活動をルール化し、属人化しがちな営業活動をシステムによって管理します。営業履歴など顧客へのコンタクト履歴、ニーズなどを残すことで潜在的な顧客を確実に受注へとつなげます。
顧客管理
営業として見込みがあるかないか不明な個人を管理するリード管理、既存の顧客および見込みのある法人および個人を管理する取引先企業(顧客)、取引先担当者のデータ管理機能を提供しています。リードを顧客にするためための活動を管理し、顧客は受注に至るまでの活動を管理します。
商談・活動管理
商談発生から受注に至るまでの進捗の管理機能を提供します。営業案件を作成し、訪問履歴などの営業活動の履歴を管理します。リードからの営業案件変換、訪問・電話からの営業案件変換など、営業活動の見える化をサポートします。
商談ステージ管理
営業案件を評価し、受注(販売契約)に至るまでのプロセスを複数のステージに分割して管理します。各々のステージでどのようなステップを踏むべきかをシステム化できるため、属人的な営業活動ではなく、組織的に統一のとれた営業フローが確立できます。営業フローはカスタマイズ可能なため、各社の営業フローに柔軟に対応可能です。
営業目標管理
金額、件数ベースでの期間を設定した目標設定とその進捗を管理します。組織や個人別での目標も設定でき、目標達成状況をモニタリングすることが可能です。
Customer Service 顧客サービス
顧客からの問合せや保守サポート契約の管理を提供するアプリケーションです。問合せの顛末管理、サービスレベルアグリーメント(SLA)とそれに対する業績評価指標(KPI)を管理し、顧客へのサポート品質を高い水準で維持するための一連の活動を支援します。
問合せ/対応管理
顧客からの問合せに対し、問合せとその対応、顛末について管理します。顧客から質問や問題についてサポートに問合せがあった場合、既存のサポート案件があるかどうかを確認するか、ない場合は新しいサポート案件をオープンして問題の追跡を開始します。問題を扱う充分な情報または時間がない場合、サポート案件をサービスのキューにエスカレート、再割り当て、または戻すことができ、問題解決まで管理が可能です。
契約管理とSLA
顧客に提供することを同意したサービスとサポートのレベルを定義します。サービスレベルを達成するための指標または業績評価指標(KPI)を定義し管理することが可能です。KPIを定義することで、サービスレベルが達成されているかを管理し、顧客との契約に準じたサービス提供できているかをモニタリングすることが可能です。
Field Service フィールドサービス
現場での機器設置、設置機器の修理、定期メンテナンス、工事などのフィールド業務を効率的に実施、管理するアプリケーションになります。現場への作業指示やディスパッチ、リソース管理、作業報告など一連の業務が可能です。顧客とのやり取りの履歴を残すことが可能なため、フィールド業務の効率化と確実な実施により、顧客満足度向上に寄与します。
作業指示書管理
作業指示書をもとにフィールド作業員が現場でやるべきことを管理する機能です。作業指示書は初期設置や予防保守など様々な種類で利用され、契約からサポート案件あるいは手動で作成することが可能です。作業指示書は、作成後にスケジュールディスパッチ、現場での作業、報告/確認とフィールドサービスの一連の作業を記録、管理することが可能です。
顧客資産管理
フィールドサービスでメンテナンス対象となる顧客資産について管理する機能です。その製品に対して提供してきたサービスの履歴を管理できます。
モバイルアプリケーション
作業現場でモバイル端末からデータ入力できる機能も充実しています。作業指示書の入力はもちろんのこと、地図マッピング、現場写真のアップロード、顧客のサインなどフィールドサービスの現場で必要な機能がモバイルでも利用可能です。
Project Service Automation プロジェクトサービスの自動化
プロジェクトサービス企業における営業活動とプロジェクトを紐づけて管理することが可能なアプリケーションになります。プロジェクト収支と人材リソースを見える化し、プロジェクトサービス企業におけるプロジェクト管理負担軽減による生産性向上とプロジェクトの利益確保を強力にサポートします。
プロジェクト管理・WBS
プロジェクトの登録とプロジェクトを分解したWBSの計画の立案が可能です。ガントチャート画面により、視覚的にプロジェクト計画が可能で、プロジェクト開始後の管理についても進捗が視覚的に確認可能です。
プロジェクトごとの作業時間と経費の入力
プロジェクトメンバーが、プロジェクトやWBSごとに作業時間を入力します。これによりプロジェクトメンバーの作業時間をモニタリングすることが可能です。プロジェクト経費の入力も可能です。入力された作業時間と経費は上長により承認されます。
リソース管理
人材リソースの各プロジェクトへのアサイン状況と稼働状況について一覧で視覚的に確認可能です。リソース配分の最適化とプロジェクトメンバーの長時間労働防止の効果が期待できます。
時間とコストのトラッキング
計画したプロジェクトの時間とコストに対して、計画値と実績値の乖離を確認することが可能です。プロジェクトでの実績時間をもとに、計画値と実績値をダッシュボードやグラフで視覚的に確認することができ、プロジェクトの計画通りの着地をシステムで支援します。
まとめ
いかがでしたでしょうか?Microsoft Dynamics 365 CRMソリューションで提供されている機能は多岐にわたっており、目的に応じて、どのアプリケーションを使うかを検討する必要があります。導入の優先順位も考えながら、それぞれのアプリケーションについて標準機能とカスタマイズをうまく組み合わせながら自社業務フローにどのように適用していくかが重要になります。Microsoft Dynamics 365 CRMソリューションの経験がある外部の専門家をうまく活用しながら、顧客満足度向上に寄与する仕組みづくりをしてみてはいかがでしょうか?
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