Power Pages

PowerPagesでできることと課金体系について解説します

1. PowerPagesとは?

PowerPagesはMicrosoft Power Platformの一部として提供されている、ビジネス向けのWebサイト構築ツールです。ローコードプラットフォームの特性を生かし、エンジニアでなくても簡単に外部ユーザー向けのWebサイトを作成・運用できるのが大きな特徴です。

PowerPagesは特に企業や組織が、顧客やパートナー、サプライヤーなど外部とのデータ共有や手続きの効率化を目的に使用されます。Power Platformが持つ強力なバックエンド機能であるDataverseと連携することで、データ管理や処理がスムーズに行えます。

Microsoft製品との高い親和性も魅力で、Azure、Dynamics 365、Power Automateなどのツールと連携しながら、外部とのデータ連携を行うシステムを構築できます。

2. PowerPagesでできること

PowerPagesでは、主に以下のことが実現できます。

1. 外部ユーザー向けのWebサイト構築

顧客、パートナー、サプライヤー、そして一般ユーザ向けに、フォームや申請手続き、データ共有のためのWebサイトを作成できます。ローコードで設計できるため、専門知識がなくても構築可能です。

2. データの表示と入力

バックエンドとしてMicrosoft Dataverseを利用することで、Webサイト上でのデータの表示や、ユーザーからの入力を効率的に管理できます。例えば、

  • 顧客向けの申請フォーム
  • パートナー向けの在庫や発注情報共有
  • 社員向けの情報ポータル など、データ活用の幅が広がります。

3. 安全なアクセス制御

PowerPagesでは、Entra ID(旧Azure AD)やローカルアカウントを利用したセキュリティ認証が可能です。外部ユーザーごとに適切なアクセス権限を設定できるため、安心して利用できます。

4. Power Platformとの連携

  • Power Automate: ユーザーの入力に対するワークフロー(例:申請承認プロセスの自動化)を作成。
  • Power Apps: モバイル対応アプリとのシームレスな連携。
  • Dataverse: データの一元管理と処理。

5. モバイル対応のデザイン

PowerPagesはレスポンシブデザインに対応しており、スマートフォンやタブレットでも見やすいWebサイトを構築できます。

6. 高度なカスタマイズ

PowerPagesは、ローコードツールでありながら、HTML、CSS、JavaScriptを活用した高度なカスタマイズも可能です。特定のデザインや機能要件がある場合も柔軟に対応できます。

3. PowerPagesとWordPress/WIXの違う点

PowerPagesはビジネス向けのWebサイト構築ツールですが、よく比較されるのがWordPressWIXなどのWebサイト構築サービスです。違いを見てみましょう。

PowerPagesは「企業の業務改善」や「データ連携」が大きな強みです。一方、WordPressやWIXは簡単な個人ブログや企業サイトの構築には向いていますが、業務データを活用するような高度な用途ではPowerPagesに軍配が上がります。

4. Power Pagesで顧客満足度を向上させる顧客プラットフォームを構築

Power Pagesを活用すれば、顧客との関係を強化し、顧客満足度を向上させるためのプラットフォームを簡単に構築できます。

顧客はPower Pagesを通じて専用のマイページにログインし、以下のような情報を確認・利用できます:

  • 過去の購入履歴
  • 商品に関する問合せ履歴
  • 営業担当者からの情報提供

登録されたデータはすべてDataverseに蓄積され、安全に管理されます。

一方で営業担当者は、Power Appsを使ってDataverseに保存されたデータを参照し、顧客とスムーズにやり取りを行えます。

さらに、これまでメールで行っていたやり取りを顧客プラットフォーム上で一元化することで、以下のメリットが得られます:

  • 各顧客との取引履歴を簡単に追跡
  • 顧客の困りごとや要望を迅速に把握

以前であれば、こうしたシステムを構築するには膨大な時間とコストが必要でした。しかし、Microsoftのローコードツールを活用すれば、月数万円のライセンス費用とわずか1~3カ月の構築期間で実現可能です。

これにより、手軽かつ迅速に顧客満足度を向上させる仕組みを導入できるようになりました。

4. 課金体系

PowerPagesの課金体系は、以下の通りです。

ログインしない場合とログインする場合で大きく課金体系が違う点と月のユーザ数に応じてより多くのユーザが利用する場合は1ユーザあたりの金額が下がるという設計になっています。Microsoftのライセンスガイドに基づいてドル表記になっていますが、課金体系をおつたえしたいため、ご容赦ください。

例えば認証済みユーザが月20,000ユーザ利用する場合、月額15,000ドルかかる計算になります。なお、認証済みユーザ数とはAさんが認証して2024年1月1日にWEBサイトにアクセスして、2024年1月31日にもWEBサイトにアクセスした場合は1ユーザとカウントされます。

また、これもよく聞かれることなのですが、月のユーザ数が契約上限を超えた場合、WEBサイトがダウンすることなどがあるかとの点ですが、ダウンするようなことはなく、PowerPlatform管理センターで月のユーザ数をカウントしているため、それをウォッチして適切なライセンスを購入するという運用になります。

5. まとめ

PowerPagesは、ビジネス向けのWebサイト構築ツールとして、外部ユーザーとのデータ共有や業務手続きの効率化を強力にサポートします。

  • 簡単にWebサイトを構築
  • 高度なデータ管理とセキュリティ対応
  • Power Platformとの連携で業務を自動化

WordPressやWIXとは異なり、業務データを中心にしたシステム構築が得意なPowerPagesは、企業のDX推進にも欠かせないツールです。

課金体系についても、ユーザー数やデータ利用量に応じた柔軟なプランが用意されています。業務要件や予算に合わせて最適なプランを選び、PowerPagesを最大限に活用しましょう!

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