データベース

SaaSデータベースとPaaSデータベースの賢い使い分け方 – 成功するDXのためのデータ戦略

「Salesforceは導入したものの、基幹システムとの連携で思うように進まない…」 「Microsoft Dynamics 365とAzureのデータベース、どちらを使うべき?」 「クラウド移行のためのデータベース選びで失敗したくない」

こんな悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか?

デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、データベースの選択は企業の競争力を左右する重要な意思決定となっています。本記事では、SaaSデータベース(SalesforceやDataverse)とPaaSデータベースの特徴を比較し、ビジネス成功のための最適な選択方法をご紹介します。

1. 知っておくべき!SaaSデータベースとPaaSデータベースの基本

SaaSデータベースって何?

たとえば、Salesforceを使ったことがある方なら、顧客データや商談データを入力・管理した経験があるでしょう。これらのデータが保存されている場所が「SaaSデータベース」です。

SaaSデータベースの代表例:

Salesforceのデータベース

  • 顧客管理、営業管理に特化
  • すぐに使える標準機能が豊富
  • No-code/Low-codeで開発可能

Microsoft Dataverse

  • Microsoft 365との親和性が高い
  • Power Platformとの連携が容易
  • ビジネスプロセスの自動化に強い

PaaSデータベースとは?

一方、PaaSデータベースは「何でも屋さん」のようなものです。例えるなら、空きテナントを自由にカスタマイズできるようなイメージです。

代表的なPaaSデータベース:

  • Azure SQL Database
  • Amazon RDS
  • Google Cloud SQL

2. SaaSデータベースを選ぶべき?メリット・デメリットを解説

メリット

  1. すぐに使える!業務に最適化された機能
  • 顧客管理や営業管理の機能がすぐに使える
  • データモデルが業務プロセスに合わせて設計済み
  • セキュリティ設定も標準搭載
  1. 安心の管理機能
  • バックアップは自動的に取得
  • セキュリティアップデートも自動適用
  • システム監視も標準機能として提供

デメリット

  1. コストがかさむ可能性も
  • ユーザーライセンス費用が必要
  • データ容量に応じて追加費用が発生
  • カスタマイズのコストも考慮が必要
  1. 自由度は限定的
  • プラットフォームのルールに従う必要がある
  • 特殊な要件への対応が難しいケースも
  • データ移行が複雑になることも

3. PaaSデータベースはどんな時に使うべき?

メリット

  1. 自由度が高い!
  • やりたいことを何でも実現可能
  • 好きな開発言語が使える
  • パフォーマンスチューニングも自由自在
  1. コストを最適化できる
  • 使った分だけの支払い
  • 必要な機能だけを選択可能
  • スケーリングもきめ細かく制御

デメリット

  1. 運用の手間は覚悟が必要
  • 設定・管理は全て自己責任
  • セキュリティ対策も自前で実装
  • 専門的な知識が必要
  1. 開発工数が増える
  • 一から作る必要がある機能も多い
  • 統合機能の実装も必要
  • 運用自動化の開発も必要

4. 成功企業に学ぶ!最適なシステム構成とは

ベストプラクティス:ハイブリッド活用のすすめ

実は、多くの成功企業は「SaaSデータベース」と「PaaSデータベース」を使い分けています。

成功事例:A社の例

  • Salesforceで顧客、商談、活動、商品を管理
  • 大量の取引データはAzure SQLで処理
  • Azure Data Factoryで双方のデータをリアルタイム連携
  • Azure SQLに蓄積したデータをPower BI、Azure Open AIで利活用

これにより営業がリアルタイムで必要な情報はSalesforceで蓄積して、営業マネジャーや企画部はPower BIやAzure Open AIで営業戦略を策定するといった使い分けを実現しています。また、Salesforceのデータ蓄積コストは高いため、PaaSデータベースのAzure SQLに大量データを保持することで利便性をあげつつトータルコストを下げています。かなり考えられたイケてるシステム構成です。

5. データの置き場所、どう決める?

SaaSデータベースに置くべきデータ

  • 顧客情報
  • 商談データ
  • マーケティングデータ
  • 社内の承認ワークフロー

ポイント: 標準的な業務プロセスに関するデータ、リアルタイム性が求められるデータ

PaaSデータベースに置くべきデータ

  • IoTセンサーデータ
  • ログデータ
  • 分析用の大量データ
  • カスタム機能のデータ

ポイント: 大量データや特殊な処理が必要なデータ

6. まとめ:成功するデータベース選びのポイント

意思決定のための3つのチェックポイント

  1. ビジネスニーズの確認
  • 標準機能で十分か?
  • カスタマイズの必要性は?
  • 予算はどのくらい?
  1. 技術要件の確認
  • データ量はどのくらい?
  • リアルタイム性は必要?
  • セキュリティ要件は?
  1. 運用体制の確認
  • 技術者は社内にいるか?
  • 運用負荷はどこまで許容できる?
  • 将来の拡張性は?

次のステップ

クラウドのデータベース選びは、DX推進の重要な一歩です。まずは、現状の課題と目指すゴールを明確にすることから始めましょう。弊社ROITでは、お客様のビジネスニーズに合わせた最適なデータベース選びのコンサルティングも提供しています。

お悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

孫さんのSoftBank World 2024のプレゼンにゾクゾクしてしまった件AIチューニングのRAGとファインチューニングの違いについて