Microsoft Copilot Studio

最近よく聞くMicrosoft Copilot Studioでできることと価格の考え方を解説

1. Microsoft Copilot Studioとは?

Microsoft Copilot Studioは、Microsoftが提供するAI開発プラットフォームで、ビジネスユーザーや開発者がより簡単にAIベースの音声ボットやチャットボットを作成できるツールです。このAI開発プラットフォームは、AIのトレーニング、デプロイメント、管理を支援し、日々の業務にAIを組み込むことで効率的な自動化を実現します。

従来のAI開発は、高度なプログラミングスキルが必要でしたが、Copilot Studioでは視覚的なインターフェースを使用して、AIアプリケーションを直感的に構築できるため、専門知識がなくても簡単にAIを活用できます。これは特に、企業が迅速にデジタルトランスフォーメーションを進めたいと考える場合に有効です。

2. Microsoft Copilot Studioでできること

Copilot Studioは多機能なプラットフォームで、以下のようなことが可能です:

1. 音声ボットやチャットボットの作成

視覚的なツールを使用して、複雑な会話フローを構築できます。ボットは、自然言語処理(NLP)を活用してユーザーの意図を理解し、適切な応答を生成します。これにより、顧客サポートや内部業務の自動化が実現します。

2. AIモデルのトレーニング

Copilot Studioを使うことで、AIモデルをトレーニングし、特定の業務や業界に最適化できます。これにより、ボットのパフォーマンスが向上し、ユーザーにより自然で効果的な応答を提供します。

3. データ統合と分析

既存のMicrosoft 365アプリケーションやDynamics 365などのビジネスアプリケーションと連携することで、さまざまなデータソースを活用してAIをトレーニングし、データドリブンな意思決定を支援します。データの収集と分析がスムーズに行えます。

4. ワークフローの自動化

Copilot Studioを使用して、単なるボットではなく、業務プロセス全体を自動化するワークフローを構築できます。これにより、作業のスピードが向上し、従業員が本来の業務に集中できるようになります。

3. Microsoft Copilot for Microsoft 365との違い

Microsoft Copilot StudioとMicrosoft Copilot for Microsoft 365はどちらもAIを活用したツールですが、異なる目的と機能を持っています。

  • Microsoft Copilot for Microsoft 365: これはWordやExcel、OutlookなどのMicrosoft 365アプリケーションに組み込まれているAIアシスタントです。文書の作成やデータ分析、メール返信などを自動化し、日常の業務をサポートします。
  • Microsoft Copilot Studio: 一方、Copilot Studioはより幅広いAIアプリケーションの開発を可能にします。独自の音声ボットやチャットボットの開発、ワークフローの自動化、AIモデルのトレーニングが可能で、特定の業務やビジネスプロセスに合わせたAIソリューションを構築できます。

要するに、Copilot for Microsoft 365はOffice365中心の日常的なタスクのサポートに特化しているのに対し、Copilot Studioは企業のデータを利用したAIソリューションに特化しています。

4. 作成した音声・チャットボットをどこで公開できるか?

作成した音声ボットやチャットボットは、さまざまなプラットフォームで公開できます。以下が主な公開先です:

  • Microsoft Teams: 組織内のチームメンバーとのやり取りにボットを活用することで、プロジェクト管理や問い合わせ対応を自動化します。
  • Webサイト: 顧客向けのウェブチャットボットとして公開し、訪問者の質問にリアルタイムで応答することが可能です。
  • モバイルアプリ: 自社のモバイルアプリにボットを組み込むことで、ユーザー体験を向上させます。
  • 他のMicrosoft製品: Dynamics 365やPower Platformなど、Microsoftのエコシステム内でシームレスに利用できます。

ボットを公開することで、24時間対応のカスタマーサポートや社内業務の効率化を実現でき、顧客満足度と業務効率の向上が期待できます。

5. ライセンス料金の考え方

Microsoft Copilot Studioのライセンス料金は、ベースライセンスが1テナントで月額¥29,985(2024年11月9日時点)です。ユーザー課金ではありません。
このベースライセンスに25,000メッセージ含まれています。
1メッセージの考え方は以下の通りです。
生成AIをつかわないメッセージは1往復1メッセージ消費、生成AIを使うメッセージは1往復2メッセージ消費されます。

例)
a)ユーザーがCopilotに店の開店時間を質問し、コパイロットが営業時間を答える=1メッセージ
b)コパイロットがWebサイト上でユーザーに積極的にあいさつをする=1メッセージ
c)ユーザーがコパイロットに次の休日の店の営業時間を質問し、コパイロットが生成型応答で答える=2メッセージ
通常メッセージと生成AIメッセージは組み合わせ可能です。

追加が必要な場合は25,000メッセージ単位(1テナントで月額¥29,985(2024年11月9日時点))で追加が可能です。

6. 導入ステップ

Microsoft Copilot Studioを導入する際は、以下のステップを参考にしてください:

  1. ニーズの分析: まず、自社の業務課題や自動化したいプロセスを明確にします。どの業務でAIを活用すれば効率化できるのかを検討しましょう。
  2. ライセンスの購入もしくは試用版の利用: Microsoftの営業担当者やパートナー企業と相談し、自社に最適なライセンスプランを選定します。
  3. Copilot Studioの設定: Microsoft 365管理者がCopilot Studioを設定し、アクセス権を付与します。
  4. AIアプリケーションの開発: 音声ボットやチャットボットを設計・構築します。必要に応じて、社内のIT部門や外部の開発パートナーがサポートします。
  5. トレーニングとテスト: AIモデルをトレーニングし、十分なテストを行って精度を確認します。
  6. 本番環境への展開: 問題がなければ、作成したボットやワークフローを本番環境に展開し、運用を開始します。
  7. 運用と改善: 定期的にボットのパフォーマンスを確認し、必要に応じて改善を行います。

7. まとめ

Microsoft Copilot Studioは、企業がAIを効果的に活用するための強力なツールです。音声ボットやチャットボットを簡単に構築し、さまざまな業務を自動化することで、効率的な運用が可能になります。Copilot Studioを導入することで、従業員はより生産性の高い仕事に集中でき、企業全体のパフォーマンス向上が期待できます。価格は利用状況に応じて柔軟に設定されており、導入も比較的スムーズです。企業がデジタルトランスフォーメーションを加速させるには、ぜひCopilot Studioの活用を検討してみてください。

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