「せっかく訪問しても、担当者にさえたどり着けない」。このような悩みを抱える営業の方も多いのではないでしょうか。セキュリティ意識が高まり厳しくなったことに加えて、感染症の拡大により対面での接触が推奨されず、これまで通りの営業活動の実施が難しく、やり方を変える必要性を感じているかも知れません。
MA(マーケティングオートメーション)は、このような現状で働き方を改善し、見込み客を確保する解決策となります。顧客が個人か企業かを問わず、今の時代にマッチする販促手段であることも特徴の1つです。見込み客の確保に苦労されていうる企業様や売上拡大を狙う企業の営業担当者様は、ぜひお読みください。
MAは営業を効率化するために欠かせない
売上に結びつく見込み客をどう集めるかは、どのような会社においても共通の課題です。MAは効率良く見込み客を集め、売上アップにつなげる点で重要なシステムです。主な特徴を3点取り挙げ、順に解説します。
MAは見込み客を集め育成し、有望な見込み客を選ぶシステム
MAとは見込み客を集めて育成し、有望な見込み客を選ぶシステムです。営業担当者は有望な見込み客に絞って営業活動を実施できますから、成約率の向上が可能です。また検討の段階から適切なフォローを行うことにより、営業の負荷を下げつつ有望な商談を増やすことが可能となります。
これらの活動の多くを自動で行えることも、MAの魅力です。コストを抑えながら売上のアップが可能な点も、メリットといえるでしょう。
MAで重要な役割を果たす「リード」
MAは、契約や購入に至っていない見込み客(リード)を対象とするシステムです。リードは売上の源泉と呼べますから、貴社の業績向上に重要です。リードの扱い方次第で成約率や件数、売上まで左右されることが、主な理由に挙げられます。
リードの獲得から営業に引き渡すまでの間には、以下に挙げる3つの取り組みが行われます。
取り組み | 内容 |
リードジェネレーション | WebサイトやSNS、問い合わせフォーム等を用いて、顧客に関する情報を入手し、 リードを獲得する |
リードナーチャリング | 見込み客に合わせた情報を配信し、リードの購入意欲を高める。必要に応じて、 プライベートセミナー等、オフラインの対応を行う |
リードクオリフィケーション | リードを分類し、成約する可能性が高いリードを選んで営業に引き継ぐ |
MAは「リードを獲得して、有望なものを選ぶ」といった単純な仕組みではなく、育成の仕組みを持つことも見逃せません。獲得したリード1つ1つを大切にして、見込み客の事情に合わせて成約まで持ち込めることがMAの魅力です。
SFAやCRMとの違い
MAと比較されるシステムに、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)システムがあります。これら3つのシステムは、目的が異なります。
システム名 | 主な目的 |
MA | リードを獲得し、商談につなげる |
SFA | 営業活動を管理・バックアップし、売上向上につなげる |
CRM | 顧客に関する情報を一元管理し、顧客満足につなげる活動を支援する |
MAは、商談等の営業活動を行う前段階として使われることが特徴となります。
MAが持つ主な9つの機能
MAには、多くの機能が搭載されています。ここでは売上の拡大に結びつく代表的な9つの機能を取り挙げ、それぞれの特徴を説明します。
機能名 | 内容 |
ランディングページの構築 | 商品やサービスに興味を持った見込み客が、最初に閲覧するページを構築する。 見込み客の属性を知るために、登録フォームや問い合わせフォームの設置を行う 場合が多い。 |
キャンペーンマネジメント | 成約につなげるためにマーケティングをどのように実施するか、決めるための支援を行う。見込み客ごとに適切な手段を選ぶ。 |
SEO分析やSNS対応 | 「SEO分析:検索エンジン、SNS対応:SNSを活用」し、リードを集める。 |
Webパーソナライゼーション | Webサイトの表示を、顧客ごとに最適化する。 サイトへの流入元や閲覧履歴のチェックを行い、優先して表示する項目を自動で選ぶ。 |
メール配信 | 見込み客の興味や関心に合わせたメールを、適切なタイミングで送信する。 セグメントメールやステップメール等は、これに該当する。 |
リード管理 | 見込み客に関する情報を管理する。 サイトへの流入経路や来訪履歴等の管理も可能となる。 |
データ分析 | MAを用いた業務成果を分析する。 「サイトへの流入元や広告の効果、どのページをどのくらい閲覧したか、問い合わせ率」等を分析に活用する |
リードスコアリング機能 | 見込み客の属性やサイト内での行動履歴等を点数化し、成約につながる確度を求める。 受注しやすいリードを選び、営業に引き渡せる点がメリットとなる。 |
SFAやCRMとの連携 | MAで得た情報を、SFAやCRMに連携する。また、SFA、CRMから情報を受領する。顧客満足度の向上には、欠かせない。 |
これらの機能の活用により、営業の効率化を実現でき、成約率や売上のアップを図ることが可能となります。
MAの活用で得られる3つのメリット
MAには、3つのメリットがあります。いずれも、営業活動を効率よく進め、売上アップに結びつける上で重要です。それぞれ、順に解説していきます。
対面する前から営業活動を進められる
対面での営業を重視する企業の場合、「営業活動の本番は実際に会ってからが勝負」と思いがちです。しかしWebが普及した現代、見込み客は事前にさまざまな製品やサービスを比較検討し、発注の可能性のある企業を選んでアプローチを行っています。そのため、「対面した時点ではすでに勝負がついている」という場合があります。自社製品の良さをアピールする機会を与えられないまま、受注を逃すケースも少なくありません。
MAは営業担当者に会うよりもずっと前から、多様なアプローチを活用して購買意欲を高めます。いわば担当者の代わりに営業活動を行い、失注を防いでくれる頼もしいシステムといえるでしょう。MAが持つ機能の多くは自動で行えるため、手間をかけずに使えることも魅力の1つです。
興味・関心の高いリードを集められるため、成約率が高い
MAで集めたリードは、展示会での名刺交換をもとにした営業やテレアポより成約率が高いこともメリットの1つです。なぜなら、その製品やサービスに何らかの興味や関心を持つ方ばかりが登録し、貴社に社名や住所等の情報を提供してくるためです。
「一般の方100名」と「製品・サービスに関心のある方100名」を比較したら、後者のほうが、成約率が高くなることはおわかりでしょう。成約しやすいリードを多く集められる点も、MAを活用するメリットの1つとして見逃せません。
顧客のニーズに合わせた営業活動を行える
MAを活用するもう1つのメリットは、顧客のニーズに合わせた営業活動を行える点です。そもそもリードを多く獲得できても、その多くは「将来必要とする可能性がある」という程度であって、「今すぐ欲しい」といった切迫度はありません。
多くの方は高額商品であるほど、購入に慎重な姿勢を示します。またB to Bの場合は予算取りの都合がありますから、仮に「今すぐ欲しい」という希望があっても購買に繋がらないケースがあります。無理に成約を試みるとかえって失敗し、ネガティブなイメージを持たれかねません。一方ですぐに成約に結びつかないからといって放置すると他社に取られてしまい、将来の売上を失いかねません。
MAの活用により、急ぎでない見込み客へもフォローを行うことができます。検討の段階から貴社のことを良く知ってもらうことで、商談になった際に有利な立場に立て、成約の可能性も高まることでしょう。
MAの活用により、効率的な営業活動と売上アップを両立できる
MAは多くの見込み客を成約に導く上で、重要な役割があります。MAを上手に活用することで営業活動の失敗や失注を減らし、効率的な営業活動を行えるとともに、売上アップを実現することが可能です。
近年、IT活用による業務改善・プロセスの変化、働き方の変化が求められていますが、今後の営業活動を考える上でMAは欠かせないものとなるかも知れません。
貴社もこの機会に、ぜひMAの導入をご検討してみては、いかがでしょうか。
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