Power Automate for Desktopで広がる可能性

Power Automate for Desktop.

Microsoft社がパソコンのデスクトップの自動化を実現する為に公開した機能です。Microsoft製品の為、Windows OSや、Excel(エクセル)、Teams(チームス)、Outlook(アウトルック）等のOfficeアプリとの親和性が高く、より実用的なRPAソフトウェアです。また、Windowsユーザなら無料で利用できるという点もあり、これまで大きなシステム投資が出来ず、デジタル活用が進んでいなかった企業での利用が拡大していくと考えられています。

本ブログでは、「あらためてRPAとは何か」という点から「Power Automate for desktopで出来る事」を述べていきます。

あらためて、RPAとは何か

RPAはRobotic Process Automation（ロボティック・プロセス・オートメーション）の略で、ロボットによるプロセス自動化技術です。これまで人がパソコン上で行ってきた業務をソフトウェア型のロボット（RPA）に代行させる技術です。
また、RPAはノーコーディングまたはローコーディングのアプローチを採用しており、ビジネスユーザやプロセスオーナーが比較的簡単に自動化を行えるように設計されているといいう特徴があります。

RPAの利用におけるメリット

RPAを利用する事のメリットを以下に記載します。特に、社会への大きな影響を与える、大きな変化となる点は「高速処理とスケーラビリティにより、今まで期間や労力の問題で、諦めていた事が出来るようになる」という事だと感じます。

• 効率化
  RPAによって、繰り返しのタスクやプロセスを自動化することで、効率が大幅に向上します。ロボットは24時間365日稼働でき、高速で正確な作業を行うため、人間に比べて時間とコストを節約できます。これにより、単調な繰り返し業務や定期的に発生する業務を自動化できます。
• 作業ミスの軽減
  ロボットは一貫して同じ手順に従って作業し、一貫性と正確性を保つため、人間による手作業で発生していた作業ミスを軽減できます。
• 高速処理とスケーラビリティ
  RPAはタスクを高速に実行できます。また、プロセスの複製が容易で、複数のタスクを同時に処理することもできますので、これまで人の手では「特定期間に1人で実施できる作業範囲の限界」があり実施出来なかった作業でも、処理できるようになります。
• 他システムとの統合とデータの一貫性
  RPAは、既存のシステムやアプリケーションと連携し、データを自動的に移動したり、プロセスを調整したりすることができます。また、データの入力や処理を自動化するため、データの誤りや不整合を軽減し、データの一貫性が向上します。

Power Automate for Desktopとは何か

冒頭に述べた通り、Power Automate for DesktopはMicrosoft社の提供する「RPA」ツールであり、Windowsユーザなら無料で利用可能です。

他のRPA製品同様、パソコンを使った作業を、ロボットが代わりに処理してくれます。

Power Automateとの違いは、Power Automateはクラウド上で動作する自動化ツールであり、Power Automate for desktopはデスクトップ上で動作する自動化ツールとなります。また、プログラミングを使わず、パーツ配置を行うローコード開発ツールです。「Webページ操作を記録するWebレコーダーとそれ以外の操作を記録するデスクトップレコーダー」の2つのレコーダー機能があり、マウスやキーボードの動きも記録でき、記録中にブラウザとUIの自動化アクションの両方の生成が可能です。

以下、簡単に活用例を記載しますが、この範囲に留まらず、ユーザ自身がどう使うかを考える事で可能性は無限大となります。

Power Automate for Desktopの活用例

• メールの自動送信や受領したメールのデータ（本文、添付ファイル）のデータ保管
• Excel、CSV等のデータファイルの操作（データ転記はファイル整理、保存）
• システムへのデータ登録や、Webページからデータを収集

Power Automate for Desktopにて、自動化を行う際のポイント

RPAで作業を自動化する際は、「人が実施している作業を分割、細分化し、RPAで実現する範囲を定め、導入していく」事がポイントとなります。なぜなら、RPAはすべてのタスクやプロセスに適しているわけではなく、適切な自動化対象を選択することが重要となる為です。
その上で、適切な設計と監視が必要となりますが、自動化においては【最初から仕組みを全部作る】というより、【作業を部分的に作り自動化される範囲を徐々に増やしていく】ようなアプローチが有効となります。

今後の可能性（Copilot in Power Automate）

今後、Copilotにより自然言語でPower Automateの作成が可能となっていく見込みです。自然言語で出来るという事は、「どのような作業を自動化したいのか」を言葉で指示する事で、Copilotがフローを提案してくれるようになります。私達は、Copilotから提案されたフローをベースに、アクションの追加や修正を実施する事で、実現したい作業の自動化をより、簡単に実施できるようになります。

まとめ

RPAは、Pepper（ペッパーくん）やドラえもんのような物理的なロボットではありませんが、パソコン上であなたの業務（時にはプライベートの作業でも）を確実に助けてくれる、お助けロボットとなります。
また、「作業の自動化」をする事で、作業が効率化され、他の事を考える時間が増える、かつRPAに多くの作業をやってもらう事で、自身の出来る事の可能性が広がっていきます。是非、「作業の自動化」の面白さに気づき、今後の仕事に活かしていただければと思います。